学生を対象とした高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する勉強会と原子力発電所見学会(2018.9.20_22,9.26)

将来,学校教員を目指す琉球大学教育学部の学生を対象に,高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する勉強会と,玄海原子力発電所の見学会を行いました。また,見学会の翌週には,中学校の先生方へ,今回の勉強会・見学会で得た知識を教育現場でどのようにいかせるか,参加した学生が発表しました。

参加した学生には,随時,スマートフォンアプリを使って,率直な感想や意見を書きこんでもらいました。今回の企画を通して,彼ら・彼女らが考える未来が見えてきたような気がします。ぜひ,こちらもごらんください。

スケジュールは次のとおりでした。
勉強会:2018年9月20日(木)15:00~18:00
場所:福岡市内会議室
勉強会①:地層処分の概要説明(ベントナイト実験含む)江崎久美子氏(NUMO)

勉強会②:『誰がなぜゲーム』で権利の所在と根拠を考える:NIMBY 施設をめぐる多様なアクターによる討議の模擬体験 野波 寛氏(関西学院大学・教授)
見学会:2018年9月21日(金)10:00〜12:00
見学先:玄海原子力発電所見学(玄海エネルギーパーク,発電所構内(バスで一巡),訓練センター)

情報発信:2018年9月26日(水)18:00〜20:00
場所:琉球大学教育学部
内容:参加学生による,県内の教育関係者(中学校教員5名,大学教員2名,教育関係者1名)への報告会

勉強会①
沖縄県には原子力発電所がないため,学生にとって原子力発電は馴染みがなく,高レベル放射性廃棄物の地層処分について学ぶのも初めてとのことでした。そのため,原子力発電環境整備機構の江崎氏には,エネルギーから高レベル放射性廃棄物まで,わかりやすく丁寧に説明していただきました。学生はとても興味深く地層処分について学ぶことができたようで,私たち世代で解決しなければならない課題と,皆さん認識されたようでした。また,地下水と放射性物質の移動を遅らせる緩衝材として利用されているベントナイトの実験では,その特性について,体験を通して学ぶことができました。

勉強会②
関西学院大学教授野波寛先生を講師に招き,『誰がなぜゲーム』を実施していただきました。参加者は様々な立場(地元住民,国民多数者,政府機関,識者・専門家)に立って,地層処分の立地について白熱した議論を展開しました。ゲームを体験することで,ものの見方が立場で変わり,地層処分事業の合意形成には多様な立場や価値観を考慮して考えることが重要であることを痛感しました。学校現場では,「道徳」で活用すると,生徒が自分ごととして地層処分を考えることができるのではないか,との意見もありました。

見学会
玄海原子力発電所の見学会では,発電所で働く人の生の声や,災害対策,訓練,厳重なセキュリティー体制を肌で感じることで,原子力利用のベネフィットを理解し,一方でそのリスクに対する様々な取り組みを知ることで,原子力に対する不安が減ったようでした。

情報発信
勉強会及び見学会で学んだことや体験したことを,現職の先生方に伝えることで,さらに学びを深めました。また,先生方も,普段接している生徒と年齢の近い大学生の感想や考え方を聞くことができ,エネルギーや環境に関する授業改善や教材づくりのヒントになったようです。特に,合意形成を体験できる『誰がなぜゲーム』については,学生目線から中高生での活用も可能ではないかとの提案がありました。参加された先生方も,学生たちの意見を参考に,授業実践について検討することになりました。

今回参加した学生が,数年後,教員となって,地層処分の必要性を次の世代に伝えてくれると確信できる機会となりました。今回の企画を実現するにあたり,講師や見学施設といろいろと調整いただいた,一般財団法人 日本原子力文化財団の事務局の方には大変お世話になりました。このような事業がなければ,今回のような貴重な体験はできませんでした。是非,今後も継続して活動できるよう,ご支援をいただきたいと思います。